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20221/23

史上初!メタバースで歌舞伎を上演『META歌舞伎 Genji Memories』製作発表!!

昨年末に発表後、SNSや各メディアで多くの話題を呼んでいる『META歌舞伎 Genji Memories』。バーチャルプロダクション(立体的なCG背景と現実世界で撮影する映像をリアルタイムで融合する手法)を用いて、メタバース(3次元の仮想空間)上で歌舞伎が上演されるのは、史上初の試み。ミエクル株式会社が立ち上げた、先端技術で新たなエンタテインメントを創出する「代官山メタバーススタジオ」のオープン記念作品です。先日、製作発表があり、取材してきました。

古典⽂学の不朽の名作『源氏物語』を題材に、“新感覚エンターテインメント” として、人気アニメの脚本家や演出家が制作に参加しています。男女の「出会い」「恋」「衝突」「別れ」を四季の情景に合わせ、舞踊とせりふで描き出し、平安時代を緻密に再現したバーチャルセットと歌舞伎俳優の演技をその場で合成し配信します。まるで俳優が平安時代にいるかのような没入感と臨場感があるそうです。

『META歌舞伎 Genji Memories』は、2022年1月25日(火) 開演21︓30 ~でLIVE⽣配信され、総合演出も務める中村壱太郎さんと、自身初となる光源氏役に挑む中村隼人さんが出演します。初演直前の製作発表へお二人が登壇し、作品への思いを語っていただきました。

(左写真)中村壱太郎さんは、光源氏を取り巻く個性豊かな女性たちの藤壺、葵の上、六条御息所、夕顔、玉鬘と、まったく違うキャラクターの女性5役を演じ分けします。
(右写真)中村隼人さんは、初めて光源氏役に挑みます。NHK時代劇「大富豪同心」でも人気の若手イケメン歌舞伎俳優です。

──『META歌舞伎 Genji Memories』誕生まで

壱太郎 きっかけは、2018年に私が出演していた永楽館歌舞伎(兵庫県・近畿最古の芝居小屋での公演)を360度カメラで撮影してVR体験できる企画で、ミエクルさんとのご縁をいただきました。2020年、コロナ禍で歌舞伎公演ができなかった時期に、何かできることを考えてART歌舞伎の配信を始めましたが、ミエクルさんの方から何か一緒にできないかとお話をいただきました。それから1年半以上が経ちましたが、リアルタイム合成のできる「代官山メタバーススタジオ」のオープンを記念して、作品を作ることになりました。

──なぜ「源氏物語」なのか

壱太郎 「代官山メタバーススタジオ」はバーチャルスタジオにしては小ぶりですが、この空間を生かしたダイナミックな歌舞伎に挑戦します。歌舞伎といえば、大がかりな舞台演出に大勢の出演者という印象もありますが、「コンパクトにいかに美しい歌舞伎ができるか」に焦点をあて、「源氏物語」に決まりました。出演者少なく、短い時間で、色の濃い作品を作ることにしました。

──光源氏は誰に?

壱太郎 若いスタッフのチームで作っているので、同世代の歌舞伎俳優と作りたい、そして「源氏物語」と思ったときに、中村隼人さんがすぐに浮かびました。「源氏物語」のストーリーを伝えるために、5人の女性の章を選び、私が声のみの出演の役もありますがヒロイン5役を演じること、中村隼人さんが初めて光源氏をつとめることが魅力の一つです。

──総合演出をする上で心がけたこと

壱太郎 「源氏物語」の世界観を伝えること。そして、史上初の「歌舞伎×バーチャルプロダクション×アニメ演出」の試みを意識して、いろいろなアイデアを出したり、みんなとヒアリングして決めていっています。リアルとアンリアルをつないで、リアルタイムで生配信するのも初めてのことで、技術スタッフの皆さんとも話します。また、アニメーターとして有名な西澤千恵さんと、たくさんのVR技術を持つ株式会社HERE.さんから演出の人を立ててもらっています。ふつうは撮影してから編集をかけ合成するのですが、今回はリアルタイムで合成できるので、稽古をしているその場でみんなでチェックして作っています。

──源氏物語について

壱太郎 全54帖ある源氏物語から10代の青年の光源氏を描いています。作品の構成は、その頃に光の君が出会った女性たち、母とも姉とも慕う父帝の妻「藤壺」、正妻の「葵の上」、年上の誇り高い「六条御息所」、年下のかよわい「夕顔」と、源氏物語が伝わりやすい世界観の中から大事な部分を切り取り、イメージと関係性を伝えて、脚本家の横手美智子さんにお願いしました。円地文子さんの源氏物語を読み返して、一気に5章分の構成がMETA歌舞伎用に浮かんでいます。あと4章が僕の頭の中にあります(笑)。今後につながる作品にしたいと思っています。

──光源氏をつとめることについて

隼人 まさか!と思いました。近年では海老蔵のお兄さんしか演じていません。僕が生まれる前では、1980年代に一回、梅玉のおじ様が演じているだけで、あとは十二代市川團十郎さんや今の海老蔵さんの祖父の十一代市川團十郎さんで成田屋の家柄の方ばかり。歌舞伎界の中でも屈指の色男が演じているのが光源氏です。重責を感じましたが、コロナ禍で歌舞伎だけでなく演劇も難しい状況の中、特に今回は新しい試みで、いただいたチャンスをありがたく受け止めています。

──プレイボーイな光源氏。隼人さんが思う、光源氏の魅力

隼人 心の中に闇を抱え人間的な陰が魅力だと思います。容姿端麗で才色兼備の完全無欠な彼だからこそ、母を亡くし父帝の妻になった継母に恋をしてしまったり、人とは違う悩みを抱えていたのではないでしょうか。欠落している部分が他の人には魅力に映ることもあり、僕もある程度、共感できるところもあります。映像を通して、その魅力が伝わる光源氏にしたいと思っています。

壱太郎 闇を抱えているのに純白無垢な青年として今回、描かれています。この作品では役それぞれにテーマカラーを決めていて、光源氏は白です。闇がいつ白になるのか、それぞれの女性の情念がどう映っていくか、見どころです。

──光源氏の衣裳を身につけてみて

隼人 直衣(のうし)という衣裳を着ています。和製シンデレラなお話の『おちくぼ物語』(2015年8月歌舞伎座)で、七之助さんと演じたとき、光源氏のような役で直衣の衣裳でした。今回、僕のイメージにするために、あまり皆さまが目にしたことのない、浅葱で緑がかった直衣を着たのがチラシになりました。素敵でこの衣裳なら光源氏がつとめられると喜んだのですが、背景のグリーンバックに同化してしまい、本番はまた衣裳が変わります。今まで完成されてきた歌舞伎の衣裳や髪、化粧に助けてもらいながら、光源氏をつとめたいと思います。

壱太郎 緑もそうですが銀糸や金糸もNGで、衣裳さんとたくさん、相談しました。新しい試みなので、稽古に入るまでの苦労がありました。

──「歌舞伎×バーチャルプロダクション×アニメ演出」の新しい試み

隼人 歌舞伎とアニメの相性の良さは、『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』や、新作歌舞伎『NARUTO -ナルト-』、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』で多くのお客様に認知いただきましたが、さらにバーチャルプロダクションが加わり、演劇の可能性を広げる挑戦ではないかと思います。『META歌舞伎 Genji Memories』をより多くの人に知ってもらいたいです。

──バーチャルプロダクションの仕組みについて

壱太郎 池や建物などつくられた3Dのバーチャル空間が広がる中に、現実世界で演技する私たち二人は2Dで合成します。リアルタイムで合成できるのが初の技術で、このスタジオの特徴です。どこに何があるかをきちんと理解して、お稽古します。文字が噴き出るようなエフェクト効果もあり、実際は何もないのによける、という稽古もしています。パッと映像が変わる点も新しい魅力になります。

隼人 モニターが何台も設置してあるので役者はモニターを見ながら、背景がどうなっているか確認の作業を繰り返しています。歌舞伎の古典のお稽古では刀や小道具はお扇子で一本で表現しますし、屋台があると仮定して動きます。子供の頃「位置が悪い役者はいい役者ではない。どこに屋台と小道具があるか予想して動かなければいけないよ」と教えられてきたので、何もない空間でのお稽古は不安や難しさはあまりなかったです。モニターを見ると映像が作り込まれていて、その世界観とどうリンクさせていくかLive生配信の25日までにブラッシュアップしていきます。

──どうしてLive生配信なのか。Liveならではのおもしろさ

壱太郎 リアル合成できる「代官山メタバーススタジオ」の特色を見せたいと思っています。ART歌舞伎、図夢歌舞伎(ずぅむかぶき)をやってきましたが、生の息遣いは生が一番伝わるけれど、温度感はカメラでも伝わり、それがLive生配信の魅力です。初めての試みでデジタル技術も入り、初演をLive生配信であたたかく見守っていただけたらうれしいです。また、生でやるから逆手にとってアーカイブ配信もできます。アーカイブ配信ではラストシーンを変えて、スタジオでのメイキングの映像もあります。

──最新技術への興味、メタバース出演への思い

隼人 オタク気質があって、アニメがめちゃくちゃ好きで、ゲームもしますし、異世界物語に僕もくすぐられます。これまではプロジェクションマッピングや音響でアニメ感や漫画感を表現してきましたが、『META歌舞伎 Genji Memories』では生身の人間がアニメの世界に入っていく挑戦で、壱太郎さんから話を聞いて胸を打たれました。こういう時代に何か挑戦していかないと歌舞伎が残っていかない危機感もあります。

壱太郎 僕はあまり映像作品に出たことがなくて、隼人さんから映像ではこうだよと案をもらって、二人でお芝居を作っています。

隼人 歌舞伎といえども『META歌舞伎 Genji Memories』では映像の芝居に近い感じで臨んでいます。

壱太郎 ミエクルさんから最新技術について教えてもらってきた経緯があり、今まで培ってきた配信公演と最新技術で、どこまで僕たちの歌舞伎が作れるのか新しい挑戦です。

──今後の展開、未来予想図

壱太郎 2章から5章をやるにしても同じやり方ではなく、世界の楽しみ方やゲーム演出を発展させたいです。今回は私たちが仮想空間にいますが、いずれはお客さんにも仮想空間に入ってもらうとか、次の第2章では「六条御息所に会いに行きますか。それとも、葵の上に会いに行きますか」と選択できたり、ゲーム要素を入れた配信の未来予想図もあります。

さらに、5章までうまくいけたら、劇場公演も視野に入れて、最新のLEDパネルを立てて全面LEDの『META歌舞伎 Genji Memories』を上演して、僕と中村隼人さんとミエクルさんと技術スタッフみんなで新たな歌舞伎を作り出せたというゴール地点の妄想を描いています。

本作へとつながる「序章」の物語、オーディオドラマ『META歌舞伎 Genji Memories -序章 藤壺の章- 』を、公式YouTubeにて無料配信しています。「序章」で藤壺を演じて、本編とあわせて全部で5役のヒロインを演じています。公式Instagram︓@metakabuki.studio で情報発信をしてきますので、ぜひ、フォローしてみてください。

【脚本家・横手美智子さんからの見どころメッセージ】

源氏を中心に、彼を取り巻く女性たちのさまざまな思いが味わえるところです。壱太郞さんや隼人さんの生身の身体と動きをお借りして、人のリアルな造形と思いが伝えられたら、と思います。見た人がキュンときたり、いらっとしたり、どんな気持ちでもいいので感じていただけたら、うれしいです。また、豪華な歌舞伎のお衣裳と幻想的なCGの親和性も高いので、新時代の先進的な絵巻物としても楽しんでいただけると思っています。

──初の歌舞伎化脚本執筆とこれまでのアニメ脚本執筆との違いについて

やはり、日本語に対する感覚がまったく違いました。 普段は、SFであろうとファンタジーであろうと、いつもの自分の言語感覚で書けるのですが、歌舞伎は言葉が美しいこと、そして口にしてテンポがいいことが必要だと思います。 これまで、勢いと何となくで書いてきた台詞が歌舞伎という舞台にのせられることで、今一度、丁寧に見直す機会になり、脚本家としてありがたかったです。同時に身が引き締まる思いもしました。ただ、登場人物の悲しい、淋しい、悔しい、うれしい、楽しいという心情については、今とまったく変わらな いということに気づきまして、それを台詞にするのはとても楽しかったです。

【あらすじ】
光源氏17歳。正妻・葵の上とのすれ違いに悩むなか、未亡人である六条御息所、純粋無垢で素直な夕顔とのはざまで揺れ動き、翻弄されていく…。光源氏役に中村隼人を迎え、葵の上、六条御息所、夕顔、藤壺(声のみ※序章で出演) 、玉鬘(声のみ)の五役を中村壱太郎が演じ分ける。歌舞伎×バーチャルプロダクション× アニメ演出による新感覚エンターテインメント。千年読み継がれる恋愛小説『源氏物語』の新章開幕…!

【公演情報】
日時︓①LIVE⽣配信︓2022年1月25日(火) 21︓15 開場/ 21︓30 開演(1月26日(水) 10:00 〜1月31日(月)まで「⾒逃し配信」付き)
②特典映像付きアーカイブ配信︓2022年2月2日(水) 22:22 〜2月8日(火) 23:59
料⾦︓① LIVE⽣配信2,500円 ②特典映像付きアーカイブ配信3,000円
購⼊/視聴サイト︓公式動画配信サービス「ミレール」『META歌舞伎 Genji Memories』
出演︓中村壱太郎、中村隼人
総合演出︓春虹(中村壱太郎)
脚本︓横手美智子
演出︓⻄澤千恵、株式会社HERE.
制作協⼒︓株式会社アロープロモーション、カディンチェ株式会社
制作︓ミエクル株式会社
製作︓松竹株式会社
公演詳細︓歌舞伎美人HP「壱太郎、隼人出演、「META歌舞伎」配信のお知らせ」
公式Instagram︓@metakabuki.studio 

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