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【会見レポート】「超歌舞伎」主演・中村獅童氏、語る!歌舞伎界のデジタルへの取り組みやオンライン配信の元祖は「超歌舞伎」!
日本最大級のインターネットの祭典「ニコニコネット超会議2021」(2021年4月24日~5月1日)にて、「超歌舞伎 Supported by NTT」が2年ぶりに、4月24日(土)25日(日)各日18時から、幕張メッセよりリアルにお客様を迎えて、待望の新作『御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)』で開催されます。公演に先立ち、リモート取材会が行われました。主演・中村獅童氏からの皆様への熱いメッセージをお届けます。また明日4月24日(土)公演も取材に行き、レポートいたします。「超歌舞伎 Supported by NTT」公演は、ニコニコ動画で生配信され、皆様も無料でご覧いただけます。エンタメ業界でもVRやAR、オンライン配信の活用が目覚ましい昨今ですが、「超歌舞伎」公演は2016年に登場し、VRやAR、オンライン配信活用の元祖と言ってよいでしょう。伝統とデジタルが融合し独自の境地を築いている「超歌舞伎」をぜひ、チェックしてみてください。
待望の新作披露『御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)』
去年、幕張メッセで上演する予定でした。「超歌舞伎」は、2016年より毎年、恒例となりつつあった「超会議」でのイベント公演です。僕に限らずデジタルチーム、アナログチーム、役者一同、裏方含めて皆が、昨年やむをえず中止となった一年分の思いを全てこの舞台にぶつける並々ならぬ意気込みです。こういうご時世の中、まずは安全第一に、数多くの協議を重ねて開催できる運びとなったありがたさを皆一人ひとりが感じていると思います。
昨年夏の無観客公演で感じたこと、2年ぶりのお客様を迎えての公演への期待
超歌舞伎はお客様参加型が楽しみ方の一つで見せどころです。お客様がペンライトをふったり掛け声をかけたり、演じ手もいっしょに、会場一帯となって盛り上がるのが超歌舞伎の醍醐味で、無観客の中なので寂しい思いもありましたが、それまで彼らと作り上げた時間があります。彼らが笑ったり泣いたり応援してくださる姿、5000人のお客様の掛け声が耳に焼きついていますから、無観客といえど、満員のお客様がいる気持ちでつとめさせていただきました。今年は大向こうの掛け声は禁止ですが、ペンライトを思う存分振って、拍手と、生中継をご覧の皆様にはいつにも増した大向こうの書き込みをしていただき、例年以上に精一杯、盛り上がることができたらいいなと思います。コロナ禍で開催させていただく意味を今一度、自分でも噛みしめて、皆様といっしょの気持ちで疫病退散!そして皆様と一つになって未来への第一歩を歩んでいけたらという思いを芝居に込めました。
今回の超歌舞伎の見せ場
私は二役をつとめ、早替りもあります。初音ミクさんが初めて悪役に挑まれ、歌舞伎の土蜘蛛伝説に基づいた「超歌舞伎」ならではのストーリー展開です。回を重ねて映像技術も向上しているので我々も勉強をして、結果は明日お客様が入ってからになりますが、いつも以上に熱のこもった作品になるのではないかと予感しています。通常5000人以上ですが今回は半分の2000人以下のお客様での開催になります。別の劇場でもいいのではないかというご意見もありそうですが、我々も話し合いを重ねて、スタッフ皆様の思いもあり、幕張メッセで生まれた「超歌舞伎」というジャンルだからこそ半分以下の観客数でもこの大会場でやることに意味があると、スタッフ一同の意見が一致しました。
超歌舞伎で人気を高めた國矢さんや蝶紫さんへの注目ポイント
今までの作品は僕の一人舞台で立ち回りも一人で背負っていることが多かったですが、今回は國矢さん蝶紫さんともに大活躍です。國矢さんは立ち回りの分量も増えて、僕と國矢さん二人での立ち回りが多く、ともに蜘蛛を退治する場面があるなど、いつもより見せ場が多いです。
お弟子さんを引き上げる気持ちの強い獅童さん、國矢さんや蝶紫さんの役どころを教えてください
蝶紫さんの役どころは悪い人。初音ミクさんを悪い蜘蛛に変生させる仕掛けをして悪を企みます。國矢さんは正義。歌舞伎は誰が悪い誰がいいと、それぞれのキャラクターがはっきりしています。正義と悪です。
お話の元になっている「土蜘蛛」、歌舞伎の大きなジャンルである頼光と四天王ものへの思い
「熊谷陣屋」「盛綱陣屋」など座っているだけの四天王が多くあり、若い頃、数え切れないくらいつとめました。四天王の最高峰は「勧進帳」と「土蜘蛛」。大阪松竹座で仁左衛門さんの「土蜘蛛」の四天王をさせていただいたときはとても嬉しかったです。富十郎さんの矢車会で一日だけ赤っつらの金時もやらせていただきました。それまで一言二言の台詞で座っているだけの四天王だったので、土蜘蛛伝説の四天王をやらせていただいたときの嬉しさ、まだ20代だった若き日を思い出します。
蜘蛛から発する蜘蛛の糸は歌舞伎ならではの演出でよく考えられています。デジタルの蜘蛛の糸と融合して迫力が増して大会場でも負けない演出になっています。歌舞伎ならではの演出を踏まえながらご覧いただけたら、楽しいと思います。
新しいことをやっているけれど、我々の演じ方や衣装、伝統は古典です。古典がどうデジタルと融合していくのか、我々もデジタル化したら、歌舞伎とのコラボレーションになりません。台本も演出も古典にこだわった芝居作りに意識を強く持っています。
今回、演じる頼光は酒を飲んで鼻を伸ばして太夫を待っている、「仮名手本忠臣蔵」の七段目を下敷きにしています。歌舞伎を好きな方は、ここはあの場面、そこはその場面と、よくお分かりいただけるので楽しみにしてください。
初音ミクさんの成長と気合
初音ミクさんは気合が入りすぎて、お声がけできない雰囲気。年々進歩しているのでいつもより踊りの見せ場が多いです。悪役で並々ならぬ気合が入っています。いつもより仕掛けは少なく、僕の早替りであったり芝居部分が濃く増えてます。
九月南座公演へ向けて
南座は歌舞伎専門の劇場なので、南座ヴァージョンとして上演され、細かい演出や仕掛けが増えます。5000人規模から小さい劇場になるので歌舞伎らしい演出も多くなるでしょう。南座恒例のリミテッドヴァージョンも用意しています。僕が口上だけをつとめて、國矢さんが主人公の回で蝶紫くん獅一くんが活躍します。京都にもぜひ来ていただきたいと思います。
ファンあってこその超歌舞伎
超歌舞伎は、最初に企画が立ち上がった時、なんとか歌舞伎の底力でみんなで力をあわせてデジタルに立ち向かおうと強い意志のもとに作りました。心のどこかで本当にできるかなと最後までそういう気持ちがあったけれど、当日、お客様の並々ならぬ大歓声とペンライトで作品として勢いよく誕生しました。初音ミクさんを応援してきたファンの方たちが、初音ミクさんが歌舞伎に出ていることに感動してくださったこと。客席で自然と「スタッフさんありがとう。歌舞伎ありがとう。よよよい。よよよい。よよよいよい」で手打ち式が始まって、我々も幕内みんなで握手して、お客さんに泣かされました。予想以上に熱い熱いものになって、次の年に新しいものを作る活力になりました。超歌舞伎ファンに育ててもらった作品です。また心に響かなければ、ここまで続きません。
彼らの応援で、私が病になった時、みんながメッセージを送ってくれて、その病をあけた次の年の公演は「お帰りー」と大歓声で迎えてくれました。年を重ねるごとに我々とファンの間に友情が芽生える、見えないドラマがあります。作品もそうですが、超歌舞伎は心と心のつながりが色濃いのです。2016年には、ドワンゴさんやNTTさんのご協力を得てオンライン配信していた超歌舞伎は、歌舞伎のオンライン配信の始まりだと世間に認知してもらえたら、一生懸命に応援してくださったファンの方たちも喜んでくださると思います。
超歌舞伎ファンのエネルギーに感動
彼らのエネルギーは物事を動かします。将来に向けて、超歌舞伎に限らず、凄まじい思いがあり、いつも感動します。大好きです。歌舞伎をどうやって見てくれるのか、茶化されないか、デジタルと初音ミクさんとのコラボがうまくできるのか半信半疑になりながらも、ここまで続けてこれたのは皆様のおかげです。
京都南座での公演は、顔見世を楽しみにしている往年の歌舞伎ファンに超歌舞伎ファンの若い人がペンライトを貸して応援のタイミングを教えあっていたり、フィナーレは着物を着たお客さんや芸妓さんまで総立ちで楽しんでいました。古典的なお客様と今時のお客様の融合があって、京都南座で上演できて、とてもよかったと思いました。
中村獅童は伝統を守りつつ、革新を追求する
その時代の最先端を取り入れてきたのが歌舞伎の歴史。江戸時代にヴァーチャルがあれば、当然、ヴァーチャル作品を作っていただろうし、客席のノリは江戸時代はこうだったんじゃないかと言う、観に来た歌舞伎役者さんもいました。勘九郎くんや松也くん、壱太郎くんやもっと若手の役者さんも超歌舞伎を観にきて、配信でお弟子さんが歌舞伎座の楽屋で観ているという話も聞いています。楽しい時に笑って感動した時に泣いて、肩の力をぬいて自由に見て、いい時にかけ声をかけたのが大向こうになり、超歌舞伎には江戸時代の原点があります。新しいものを作っているけれど、 かぶく精神と江戸時代の人はどうしていたか想像しながら、歌舞伎を作っていくのが楽しいです。傾奇者(かぶきもの)の精神。勘三郎兄さんが見たらなんていうのかな、どうするかなといつも無意識のうちに、行き詰まった時、心のうちで思います。「こういうことやったら、悔しがってくれるかな 」と、いい作品に嫉妬する素敵なところがあった勘三郎さんが「俺がやりたい」と悔しがるような作品をこれからもつくれたらと思います。
◇Akiba.TV「超歌舞伎」過去取材記事
【ニコニコ超会議2019】初音ミクと中村獅童が共演「超歌舞伎」レポート&獅童さんインタビュー動画!
【会見レポート】初音ミク×中村獅童×澤村國矢「超歌舞伎」がいよいよ京都南座で初お目見え!
◆超歌舞伎とは
「ニコニコ超会議2016」(幕張メッセ)で、初お目見得した伝統芸能と最新技術が融合した、現代ならではの新しい形の歌舞伎。歌舞伎俳優・中村獅童とバーチャルシンガーの初音ミクの共演と、ドワンゴとNTTの最新技術の演出を用いたその舞台は大きな反響を呼び、「新しいエンターテインメントイベント」を展開したことが評価され、AMDアワード大賞、ACCブロンズ賞などを受賞してます。
◆新作『御伽草紙戀姿絵』とは
超歌舞伎は「ニコニコ超会議2016」で初上演し、第6回目となる今回は、『御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)』と題し、土蜘伝説(つちぐもでんせつ)を題材に新たに創作されました。
中村獅童が源頼光(みなもとのよりみつ)と盗賊袴垂保輔(はかまだれやすすけ)の二役を勤め、初音ミクが七綾太夫(ななあやだゆう)役で初めて悪役に挑みます。また中村蝶紫が山姥茨木婆(やまんばいばらきばば)役を、澤村國矢が頼光の重臣 平井保昌(ひらいのやすまさ)役を勤めます。主人である平将門の忘れ形見の七綾太夫と、源頼光の恋物語を軸に、山姥茨木婆といった物の怪たちの野望の顛末と、平井保昌と袴垂保輔の活躍を描きながら、物語が展開していきます。
【見どころ 壱】ミクさんが唄い踊る!
ミクさんが初めての悪役を勤めるのが話題のひとつ。今回の作品では〝拍子舞〟のご趣向で、劇中でミクさんが唄いながら踊る場面が見どころとなっています。この拍子舞とは、歌舞伎舞踊では古くからある演出で、三味線の演奏にあわせて、自ら唄い、踊るものです。恋づくしの長唄を唄いながら踊る、可憐なミクさんの姿をご注目ください。
【見どころ 弐】さらに深まる古典歌舞伎の色
超歌舞伎は、古典歌舞伎でつちかわれた演技、演出術を取り入れてきましたが、今回はさらにその要素が深まっています。例えば、発端の暗闇のなかで宝物を奪い合う「だんまり」や、第二場の様式美のある「殺し場」。また第三場の拍子舞や悪事を働いた人間が善人に戻る「もどり」。さらに大詰の「立廻り」と、歌舞伎ならではの演技、演出、趣向に溢れた作品となり、お芝居の要素が増えているそうです。
【見どころ 参】進化するデジタル演出
アナログな歌舞伎と最新のデジタル技術を用いた演出の融合が超歌舞伎の特色ですが、今回もさらに進化を遂げたデジタル演出が大きな見どころです。
また、超歌舞伎ならではの見どころとして、観客参加型の演出があります。視聴者が「888」などテキスト文字の大向こうで配信動画画面を埋め尽くしたり、舞台に呼応して観客が手に持つペンライトの色が変化する様子は圧巻です。皆さんの熱い思いが舞台に届き、観客と舞台が一体化した超歌舞伎の魅力にもご注目ください。
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「超歌舞伎 Supported by NTT」
公式サイト:https://chokabuki.jp/
公演場所:幕張メッセ イベントホール (千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)
出演者: 中村獅童、初音ミク、中村蝶紫、澤村國矢 ほか
放送URL:※全編無料放送。本番組はniconicoの会員登録やログインなしでも視聴が可能です。
・4月24日 18:00~ https://live.nicovideo.jp/watch/lv330562795
・4月25日 18:00~ https://live.nicovideo.jp/watch/lv330852207
脚本: 松岡亮
演出・振付:藤間勘十郎
原作・劇中曲:「ロミオとシンデレラ」(作詞・作曲 doriko)
主催 :ニコニコ超会議実行委員会
製作 :松竹株式会社 / 株式会社ドワンゴ
製作協力:クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
超特別協賛/技術協力:NTT
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◆ニコニコネット超会議とは
「ニコニコ超会議」は「ニコニコのすべて(だいたい)を地上に再現する」をコンセプトに2012年より開催している超巨大イベントで、今年で10年目を迎えます。2020年、新型コロナウイルスの影響によりにオンラインイベントへ移行し、「ニコニコネット超会議」として8日間開催、1,700万人超(2020年8月実績)がネット来場しました。
来場実績:
2020年8月 ネット来場者:1,773万8,806人 (8日間)
2020年4月 ネット来場者:1,638万1,426人 (8日間)
2019年4月 会場来場:16万8,248人/ネット来場者:666万3,612人 (2日間)
2018年4月 会場来場:16万1,277人/ネット来場者:612万1,170人 (2日間)
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「ニコニコネット超会議2021 Supported by NTT」
開催日時: 2021年4月24日(土)~5月1日(土)
主催:ニコニコ超会議実行委員会
会場: ニコニコ公式サイト・総合TOP
ニコニコネット超会議 公式サイト:https://chokaigi.jp/
Twitter公式アカウント: https://twitter.com/chokaigi_PR
テーマソング:「しろくろましろ」 作詩・作曲:松岡充/歌:「シロクマ」小林幸子×松岡充
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